【MikataニュースVol.2】まさか、他界した父に借金が!?

自分の死、自分の親しい人の死なんて、身近に考えている人は少ないかもしれません。
しかし、それは、ある日、突然襲い掛かってくることがあります。


私の親しい友人のお父さんは、ガンに冒されていました。
もしかしたら、死に対する覚悟も多少はあったのかもしれませんが、早期の発見であり、治療中であったため、用意や準備はできていなかったようです。

しかし、残酷にも、そのときは突然やってきて・・・。
倒れてから、3日も持たずに他界されてしまいました・・・。
そして、葬儀等が終わった数日後、色々なものを調べてみると、数千万円の借金が・・・。

もしも、あなたに、急に同じことが起った場合、どうされますか・・・。


ロッポくん もしも、自分の父親が他界してしまって、多額の借金があるとわかったら、どうしたら、いいんですか。

中尾弁護士 まずは、このような場合、法的にどうなるのかというと、民法896条により、一切の権利と義務を承継することになります。つまり、財産と同時に借金(負債)も承継することになります。従って、借金の方が多い場合は、借金を返済する義務を負ってしまうことになります。

ロッポくん えー!?そうなんですか!?
でも、返しきれない場合もありますよね・・・。

中尾弁護士 そうですね。そのような場合、相続放棄(民法939条)という手続きがあるんですよ。相続の放棄をすると、初めから相続人にならなかったことになります。
つまり、財産も借金(負債)も一切を承継しないということですね!

ロッポくん 安心しました。そういった手続きがあるんですね!

中尾弁護士 でも、油断は禁物です。相続放棄をするにもいくつか注意点があります。

まず、相続放棄は、相続の開始(この場合、お父様の死亡)があったことを「知ってから」、原則3か月以内に行う必要があります。
また、相続放棄をする前に、財産を使ってしまった場合(一部または全部)などは、相続放棄ができなくなってしまい、借金も財産も全てを相続(単純承認)することになってしまう場合があります。

さらに、相続する人が1人ではない場合、全員が相続放棄をしないと、相続放棄をしていない、他のご家族などに、借金(負債)がふりかかってしまいます。

ロッポくん なるほど!勉強しておいて良かったです!

中尾弁護士 そうですね。事前に知っておけば、後々の失敗を防げますからね!
ちなみに、借金が多い場合などに「限定承認」という制度もあることを知っていますか?

ロッポくん よくわからないのですが、どんな手続きなんですか?

中尾弁護士 限定承認(民法922条)は、相続した財産の範囲内で、借金を返済したい場合に使える手続きです。だから、借金がいくらあるのかすぐに分からない場合などにも使えるんですよ。

便利な方法ですが、この限定承認にも、注意点があります。まず、さきほどと同様3か月以内に手続きを行う必要があります。この場合、財産目録という財産の一覧表を作成して、家庭裁判所へ提出する必要があります。

また、相続する人が複数の場合は、全員の意見が一致していなければならないので、1人でも反対する人がいた場合は、限定承認は行えません。(民法923条)
さらに、限定承認も手続きを済ませる前に、財産を使ってしまった場合(一部または全部)は、この方法を使えなくなってしまう場合(単純承認)がありますので、この点についても、注意が必要です。
借金が多い場合、または多そうな場合は、亡くなってしまった方の財産を使うか否かの判断は、よく注意をしてくださいね。

ロッポくん なるほど!よくわかりました。法律って、難しいけれど、事前に知っておかないと、失敗してしまうリスクがあるんですね。中尾先生、今日はありがとうございました!


※プリベント社の弁護士保険Mikataメールマガジンを転載しております。

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